2018年09月04日
コックの時間を無駄に浪費する「マルチタスク」

なにをラーメン屋が横文字を(笑)と思われるかもしれない。
前身のブログ「鹿児島ラーメン気になる話」では、たっぷりと多様して、Makotoさんを困らせた(笑)
タスクとはなんぞや?と言うと「作業」のこと。
カンタンに要約すると、「〇〇をやりながら〇〇もこなす」。作業を2つ3つ同時進行に進める事をマルチタスクと呼ぶ。
コックの世界では、特に厳しい厨房や、有名店の厨房ほどこれを嫌う。
デメリットは色々あるが、なにより見た目ほど作業が早く無いからだ。
逆にひとつひとつの作業に集中する”シングルタスク”の重要性をコックは熟知している。色々と手を出して、恰好ばかり良く見せようとする修行者は厳しく注意され、修正させられる。
湯切りがパフォーマンスになるラーメン屋の厨房と比べると、コック達の厨房はもっとリラックスと集中力に満ち、何より無駄な動きを嫌う。
脳の科学で分析するならば、人間は作業が終わるまで記憶を続けようとする性質がある。それが邪魔になって激しく作業が遅延するのだ。
ウソだと思うなら、シングルタスクとマルチタスクの時間を計測してみれば良い。
特に厨房にとって重要な午前中の仕込み時間や、戦争のようなランチタイムでの作業の遅れは被害が大きい。命取りだ。
どうせ人間は4~5時間程度しか集中力が持たない生き物である。
仕込みなどは、時間が短縮されるような工夫、アイデアが良く出る環境が良い。
中国料理の厨房はそんなアイデアや上手に道具を使う技が満載だ。
マルチタスクなどと呼ぶとどこか今風で、仕事術のように聞こえるが、そのような知恵が何千年も前から受け継がれているのである。
そこは武道に似ている。
科学的な研究結果と言ったデータ(エビデンス)など無い時代に、人体の構造や脳の科学、などが研究され尽くされているからだ。
「そのように工夫すれば今。ココ。で誰でも出来てしまった!」
と言うことがありえる”技ブレークスルー”の快感も武道っぽい。 おわり
~シングルタスクのコツは動画でも公開しています。歌付きで~